相続税は申告者自身が納税額を計算し最終的な納税までを行う、「申告納税制度」を採用しています。当ページでは、納税額の計算について解説してまいります。
遺産総額の計算方法
相続税の算出をするためには、先に相続財産の総額の算出を行います。相続財産には預貯金や株式、不動産等のプラスの財産、被相続人の死亡をきっかけをとして発生した死亡退職金や生命保険金等のみなし相続財産、借金や住宅ローン等のマイナスの財産があり、相続税はプラスの財産とみなし相続財産を足した額からマイナスの財産を差し引いた額が対象となります。
相続財産の総額=(プラスの財産+みなし相続財産)-マイナスの財産
注意点としては、みなし相続財産や生前贈与があった場合、非課税枠がありますのでこれを超えた金額分をプラスの財産として計算してください。
相続税の基礎控除の計算方法
相続税には一定額まで税金が免除される基礎控除額が定められており、基礎控除額は基礎控除3,000万円と法定相続人の人数に600万円をかけた額までとなっています。
基礎控除額=基礎控除3,000万円+法定相続人の人数×600万円
例えば法定相続人が3人の場合、3,000万円+3×600万円で4800万円までが基礎控除額となります。
相続税の総額の計算方法
相続税の総額は上記の計算方法で算出した課税対象額を使い、相続人全員が法定相続分を用いて相続することとした場合の相続税額を算出します。
相続税額=(課税対象の遺産総額×分割割合)×相続税率-控除額
相続人毎の相続税額の計算方法
相続税の総額が分かれば、相続人毎の相続税額を算出できます。これは相続税の総額に実際の遺産分割割合をかけることで導きだせます。
相続人毎の相続税額=相続税の総額×相続人毎の遺産分割割合
ここまでの計算が終われば、この後は相続人毎の控除の適用や加算を行い納税まで行います。相続税の計算が複雑でご自身だけでは不安だという方は、ぜひ専門家にご相談ください。